こんにちは、「デデンの湯」副校長のMです。
今回はチンチラやウサギに見られる「空蹴り」について解説します。実は、この行動はとても危険で、場合によっては骨折につながる可能性があります。飼い主さんが知らずに見過ごしてしまうと、大きなケガにつながることも…。
この記事では、空蹴りの仕組みや危険性、予防のためにできる工夫をわかりやすく解説します。
空蹴りとは?
空蹴りとは、チンチラやウサギが後ろ足で地面に触れずに勢いよく蹴り出す動作のことを指します。
特に抱っこから逃げようとしたときや、不安や恐怖を感じたときに起こりやすい行動です。動物自身は逃げるための自然な反応ですが、体の構造上、とても危険を伴います。
なぜ危険なのか?
1. 骨格が繊細
チンチラやウサギは後ろ足の筋肉が発達している一方で、骨はとても細く繊細です。強い力で空蹴りをすると、自分の体重が骨にかかりすぎ、骨折や脱臼を起こすことがあります。
2. 脊椎への負担
空蹴りの衝撃は足だけでなく、背骨(特に腰椎)にも負担がかかります。ウサギの飼育書では「抱っこの最中に暴れて背骨が折れてしまう」事例がよく紹介されています。チンチラも同様に、背骨の骨折は命に関わることがあります。
3. 二次的なケガ
ケージの金網や床に強くぶつけてしまい、爪の損傷や皮膚の裂傷につながることもあります。
実際にあった事例
- 「抱っこ中に空蹴りをして、そのまま腰を痛めてしまった」という報告は少なくありません。特に診察中や爪切り中に多発します。
これらは珍しい事故ではなく、日常の中でも誰にでも起こりうるのです。
予防するためにできること
1. 抱っこの仕方を工夫する
- お尻や背中をしっかり支える
- 片手で胸、もう片方で腰〜お尻を包むように持つ
- 無理に高く持ち上げない
2. 床に近い位置で扱う
空蹴りで落下してもケガを最小限にできるように、必ず低い位置で抱っこすることが基本です。グルーミングも膝ではなく床でやりましょう。
3. 不必要な抱っこは避ける
「かわいいから抱きたい」という気持ちは大切ですが、彼らにとっては大きなストレスです。お世話の必要があるとき以外は、無理に抱かないことも愛情のひとつです。
4. ケージの環境を整える
ケージ内で空蹴りをしたときに金網や硬い床にぶつけないよう、すのこやマットでカバーしてあげると安心です。
空蹴りをしてしまったときの対処
- 足を引きずる
- 座り方が不自然
- 食欲がなくなる
こうした症状が見られたら、骨折や神経の損傷が考えられます。
迷わず早めに動物病院へ相談しましょう。
まとめ
チンチラやウサギの空蹴りは、単なる行動ではなく命に関わるケガの原因となり得ます。
- 骨折や脊椎損傷のリスクがある
- 抱っこは低い位置で
- 不必要な抱っこは避ける
- ケガをしたらすぐ病院へ
飼い主さんのちょっとした配慮で、大切な子の命を守ることができます。
補足:安心して読んでいただくために
※この記事は私自身の飼育経験や、動物病院での勤務経験をもとにまとめたものです。実際の診断・治療は必ず獣医師にご相談ください。
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